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【キミのニセモノに恋をする】ゲームレビュー・プレイした感想/失踪した彼女に瓜二つの女性と出会った主人公は…?

今回はニケ様が制作された「キミのニセモノに恋をする」の紹介とネタバレありのレビューを書いていきたいと思います。この作品は恋愛要素・ヤンデレ要素ありのノベルゲームです。

この記事はこんな人におすすめ!

●切ない要素もヤンデレ要素もありの恋愛ノベルゲームを探している人

●思わず泣いてしまうような感動ストーリーをゲームで読みたい人

●「キミのニセモノに恋をする」のレビューを知りたい人

※この記事はゲームのネタバレを含みますのでご注意下さい。

 

このゲームの実況動画もありますのでぜひご覧ください!

※動画ではTRUE ENDのみを回収しています。

 

「キミのニセモノに恋をする」あらすじ

主人公の桜井秋文の恋人「セツナ」はある日突然姿を消した。彼女が姿を消してから1年後、セツナと初めて出会った場所でセツナと瓜二つの女性「トワ」に出会う。

トワは一体何者なのか?セツナはどこに消えてしまったのか?トワとセツナの関係性など謎が深まるまま、秋文はトワと関わっていくが…。

「キミのニセモノに恋をする」ゲーム情報

▼DL可能なサイトはこちら(ノベルゲームコレクション)

●ジャンル:恋愛系ノベルゲーム

●制作者:ニケ

●プレイ時間:30分~40分程度

●エンディング:5種類(TRUE 1種類・NORMAL 1種類・BAD 3種類)

●備考:BAD ENDには一部ヤンデレ要素あり

ゲームの特徴・評価

思わず物語に引き込まれてしまうヒロインの設定

「トワ」は、秋文の恋人であった「セツナ」という女性と瓜二つの外見をしているという非常に気になる特徴を持っている上に、セツナが写真を嫌ったり携帯を持っていなかったために証拠もなく謎が多い。

さらに秋文とトワが初めて会話する場面の不穏なBGMや空気感なども相まって「秋文の妄想なのではないか?」「セツナとトワは別人に見えるのになぜ外見は同じなのか?」などの疑問が次々と湧いてきて、次の展開が待ち遠しく感じてしまう。

それぞれに違った魅力を持つ2人の女性キャラクター

セツナとトワは同じ顔なのだが、巧みに描き分けられた彼女たちの表情の作り方・振る舞いの違いで別人だということが確実にわかるようになっている。例えばトワは大人びて全体的にしっかりしており、セツナはどこかあどけなく言動が幼い。この両者の明らかな違いがストーリーが進むにつれて段々と顕著になっていき、彼女たちは完全な別人であり、それぞれが異なった魅力を持つ女性なのだということを印象付けてくれる。

セツナと秋文の交際については想像の余地がある

そもそもセツナには家族や過去に関する情報がほとんど無く謎が多い上に、秋文と交際していた時の様子もそれほど多くは語られないことで、プレーヤーが彼らの思い出や関係性について想像する余地が残されているところが良い。

「キミのニセモノに恋をする」ストーリーについて

TRUE ENDとNORMAL ENDが想像していた展開と逆で、良い意味で裏切られ驚きました。なぜTRUE ENDの展開がTRUEなのか?を考えることで、より主人公のセツナ・トワに対する気持ちを推測して物語に入り込むことができます。

主人公が好きだったのは…

セツナはトワが母親を亡くした時の精神的なショックで一時的に生まれた人格のため、元の人格であるトワに戻った今、二度と秋文と出会うことはない。それでもセツナとトワは本来同じ人間であり、秋文がトワと共に生きていくことで前を向いて生きるきっかけになるとも私は考えていた。そしてセツナの記憶がほとんど無くても、同じ人間なのでトワが秋文を好きになるのも不思議ではないだろう。そのためトワと秋文が交際するNORMAL ENDがTRUEでもいいのでは?と最初は思ったのだが、実際のTRUE ENDを見た時に考えが変わった。

秋文がずっと好きだったのは「セツナ」の人格であり、トワと回想シーンのセツナの言動の対比から、2人は全く別の存在であると次第にはっきり理解していく秋文の様子が見て取れる。さらにTRUE ENDで秋文はこんな発言をする。

 

「…キミの身体は、間違いなくキミのもので…だから…」

「キミが本物なんだと思う」

「ボクは、キミのニセモノを好きになったんだね」

引用元:「キミのニセモノに恋をする」ゲーム内秋文のセリフ

 

トワに対するこの言葉は、「トワ」が本物で「セツナ」は偽物だと納得した上で、それでも偽物を好きな気持ちや当時の思い出を大事に持ったまま生きていこうとする気持ちの表れだろう。

BAD ENDの内容なども加味すると、おそらく秋文はセツナとトワを元が同じ人間とはあまり考えておらず、あくまでトワは同じ顔を持つセツナの代わりとしか見られない可能性がある。事情を知らないとはいえ勝手にトワに近付き、就活の相談に乗るなど一方的に関わりを持とうとしたにもかかわらず、セツナとトワを比較して次第に彼女たちの違いを改めて思い知らされていたため、2人が一緒にならない結末の方が最終的に2人のためになり、TRUE ENDにふさわしいと思った。

セツナの最期

自分は元の人格が戻ってくるまでの一時的な存在なのを理解しており、トワの迷惑にならないようにと写真を撮らない・自分のことをほとんど語らない、など自分の痕跡を残さないようにして生活していた。その上、明日トワが戻ってくることで自分が消え二度と秋文に会えない存在になるとわかっていても、最後は秋文の迷惑にならないようにとそっと自分から去っていくなど、セツナが消えていくまでの間に取っていた行動や抱えていた苦悩の全てがとても悲しい。

TRUE ENDの最後にあるセツナの「明日の自分が彼に恋をしないように」という言葉に彼女の想いが全て詰まっているような気がする。「トワには秋文のことを好きにならないで欲しい」「自分だけの秋文であって欲しい」と感じていたであろう切ない恋心に言葉が出なくなってしまった。それがまるで、自分はいずれ消えるトワの偽物と自覚していたセツナの切実な唯一の願いのようで、その願いを知ることができるエンディングであることから、秋文がセツナとの思い出を胸に去っていく結末こそやはりTRUE ENDだと感じた。

おわりに

エンディングによってはヤンデレの要素がありつつも、基本的には切なく感動できる作品でした!思わず泣けてしまうようなノベルゲームを探している人には特におすすめしたい素敵なゲームです。

 

最後までお読み下さりありがとうございました。