はことふね

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【Come Cellar】レビュー・エンディング考察/地下室の秘密を隠し続ける少女

今回はうらめがね様によるADVゲーム「Come Cellar」のレビュー・エンディングの考察をしていきたいと思います。このゲームは探索型のホラーアドベンチャーで、プレーヤーは少女が隠している秘密を守る必要があります。

この記事では「Come Cellar」のエンディングについてもしっかり考察していきますので、興味がある方はぜひ読んでみて下さい!

 

この記事はこんな人におすすめ!

●ホラー要素のあるADVゲームに興味がある人

●考察しがいのあるストーリーをゲーム内で楽しみたい人

●「Come Cellar」の評価やエンディングの考察を知りたい人

※この記事はゲームのネタバレを含みますのでご注意下さい。

「Come Cellar」あらすじ

少女「ソラ」は自宅の地下室にある「秘密」を隠していた。それは不慮の事故が原因とはいえ、死体を隠していることだった。少女はこの秘密を守ろうと試行錯誤するが、それを阻むような問題が次々と発生してしまう。秘密は一体いつまで隠し通せるだろうか?

「Come Cellar」は何でプレイできる?

このゲームはふりーむでプレイ可能です。

ゲームの特徴・評価

自宅を探索し、地下室の秘密を守るために奔走するゲーム

・ゲームのプレイ時間は3時間程度。

・エンディングはWorst、Normal、Trueの3種類だが、それ以外のバッドエンドが複数ある。

・自宅の中で証拠品を隠したりして知り合いに秘密を知られないようにする。

じわじわと追い詰められていくような感覚になる怖さがメイン

この作品では血の手形や謎のメッセージが浮かび上がったりはしますが、幽霊や化け物が出て襲われるシーンはありません。心霊的な怖さというよりも、ソラが隠している秘密が一体いつ誰にバレてしまうのか?という、心理的に少しずつ追い詰められるような恐怖を味わうことができます。逆に言えば、幽霊系が苦手な人でも比較的プレイしやすいホラーゲームだと思います。

ヒント機能などが無いため自力でのエンディング回収がやや困難

ゲーム中にヒント機能がなく、あらゆる行動・会話パターンを試していかないと全てのエンディングやバッドエンドに辿り着けないため、エンディング回収の難易度は高めのゲームだと思います。どうしても行き詰まった場合は、攻略情報を見るしかないですね。

「Come Cellar」エンディングの考察

この記事では、最も謎が多いTrue Endingの考察をしてみたいと思います。そしてTrue Endingに大きく関わっているであろう「ソラの二重人格」「自宅に入った透明人間の謎」「3つ目の遺体」について考えていきます。

《参考:3種類のエンディングの大まかな内容》

Worst:大家はおそらく地下で亡くなっており、娘のアッカも命を落とす。

Normal:大家が生きて地下から出ていたことがライトから知らされる。

True:大家はおそらく地下で亡くなっており、地下には他にも遺体があることが示唆されている。

ソラの二重人格説

True Endingでは主人公ソラが二重人格である可能性が伺えます。

「知られたら、すぐに消される…そんな些細な存在だから。

だから、気付かれないように…

夜の僅かな時間だけコソコソとね。」

引用元:「Come Cellar」ゲーム内ソラのセリフ

このソラの発言はソラに裏人格があることを示しており、ストーリー中でも作ったカレーの残りが減っていたり、夜中に誰かが風呂に入った形跡があったのも裏人格ソラがやったことでしょう。(ソラの父親はカレーが嫌いなので父親の可能性は低い)

さらに一人称も微妙に異なっており、「わたしは地下に降りていない…私は何度も降りていた。」というソラのセリフから「わたし」=表人格ソラ・「私」=裏人格ソラであると推測できます。

表人格ソラが夜中に起きていた事象を父親の仕業だと思っていたのは、普段は裏人格ソラの記憶が表人格ソラには引き継がれていなかったからだと考えられます。

自宅に入った透明人間の正体

True Endingでは、ソラの自宅に謎の透明人間が入ってきます。(プレーヤーの操作キャラが透明になりほとんど見えない)私はこの透明人間は記者ではないかと思います。その記者は地下室に入った際に裏人格ソラに見つかり、銃声と共に命を落としたのではないでしょうか。

また、透明人間の正体が記者だと推測する理由は裏人格ソラの「誰か…外から見ている。」という発言と、True Endingに出てくる以下の文章にあります。

Tuesday, April 11

A woman came into the house.

But she did not come out.

I thougut that something had happened.

I got interested in the house and the girl.

I will try to reveal the truth tonight..

引用元:「Come Cellar」ゲーム内に出てくる文章

参考:上記文章の日本語訳(ざっくりです)

4月11日、火曜日

1人の女性が家に入って行った。

しかし彼女は出てこなかった。

彼女の身に何かあったのだろうか。

私はその家と少女に興味を持った。

今夜、真実を明らかにしよう…。

この文章が出た後に、透明な人物がソラの自宅にいるシーンに切り替わるため、ソラの自宅周辺を嗅ぎまわっていた第三者が透明人間の正体ではないでしょうか。そしてストーリー中で「記者が来ている」とライトが言っていたため、ソラの自宅を外から覗いて真相を明らかにしようとしたのも記者だと思われます。

3つ目の遺体の謎とソラのその後

上記でソラの自宅にやってきた記者が銃で命を落としたと書いた通り、3つ目の遺体はおそらく記者のもので、時系列的に「階段の傍の遺体:大家、その奥の遺体:父親、目の前にある遺体:記者」だと考えています。父親が既に亡くなり遺体が隠されていたのは、離婚して母親の元にいたソラがいきなり同居することになり、ソラとの関係性が良くなかったからかもしれません。

3つの遺体を隠すことになったソラはその後どうなったのでしょうか。裏人格ソラは地下室で消滅した可能性が高そうです。「ソラ、あとは一人で何とかしな」という裏人格ソラのセリフは、自分の存在が表人格ソラに気付かれて消滅してしまうこと・裏人格ソラの記憶が表人格ソラに統合されることを示していると思います。

そして最後にソラが地下室を出た時、外に待ち構えていたアッカの姿・誰かが階段を転落する音で終わります。ソラが真実を知ったアッカに突き落とされたのか、それともソラが口封じのためにアッカを地下室に突き落としたのかは残念ながらわかりません。

しかし「わたしにできることは…」という発言と、裏人格ソラが担っていた「地下室の秘密を守る」という役割を引き継ぐ決意をしているような描写があることから、アッカを突き落として地下室の秘密をこれからも守って生きていくというストーリーの方が、個人的にはエンディングとしてしっくりくるような気がします。

おわりに

いかがでしたでしょうか?個人的な考察ですが少しでも参考になれば嬉しいです。常に登場人物の行動やセリフの意味を考えながら楽しめるホラーゲームですので、気になった方はプレイしてみて下さい。

 

最後までお読み下さりありがとうございました。