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【終わらない夕暮れに消えた君】レビュー・ストーリーの感想

※本ページにはプロモーションが含まれている場合があります。

今回はSYUPRO-DX様による「終わらない夕暮れに消えた君」というADVゲームのレビュー・ストーリーの感想を紹介していきます。

 

この記事はこんな人におすすめ!

●タイムスリップもののADVゲームが好きな人

●感動するストーリーをゲームで読みたい人

●「終わらない夕暮れに消えた君」の評価やストーリーの感想を知りたい人

ちなみにSYUPRO-DX様が制作されている「彼女は最後にそう言った」というADVゲームもおすすめです。

「彼女は最後にそう言った」のレビュー・ストーリー考察はこちら

 

※この記事はゲームのネタバレを含みますのでご注意下さい。

 

「終わらない夕暮れに消えた君」あらすじ

主人公「シュウヤ」が住む夕凪島では、ある事件をきっかけに作られた「お祭の日の夕暮れ時にかくれんぼをしてはいけない」という規則があった。

その事件はシュウヤと同級生たちが10年前に行ったかくれんぼの中でただ一人、「イヅル」という少年だけがいつまでも見つからなかったことだ。彼は一体どこへ消えてしまったのか?その真相を探るためにシュウヤは過去を思い出しながら情報を集めることにする。

さらにシュウヤたちが10年前に埋めたタイムカプセルがなくなっており、代わりに見知らぬ箱の中に「10年前の続きをしよう」と書かれた紙があった。失踪したイヅルを見つけるために10年越しのかくれんぼが始まった。

「終わらない夕暮れに消えた君」は何でプレイできる?

このゲームはスマホアプリでプレイ可能です。

iOS

終わらない夕暮れに消えた君

終わらない夕暮れに消えた君

  • SYUPRO-DX Inc.
  • ゲーム
  • 無料

Android

ゲームの特徴・評価

島を探索し失踪したイヅルの行方を探すゲーム

・ゲームのプレイ時間は2~3時間程度。

・エンディングは分岐なしの1種類。

・2周目以降でイヅル失踪を防ぐ過去改変ストーリーをプレイできる。

・島民や同級生から収集した情報や、シュウヤが思い出す過去を元にイヅル失踪の真相を探る。

探索をサポートしてくれるマップ・ヒント機能がある

このゲームには「マップ」機能があり、建物の中以外の場所であればシュウヤの現在地と次に行くべき場所がわかるようになっています。(次に行くべき場所は赤マーカーで表示される)さらに「キオク」機能の中にある「ヒント」を見ると、ストーリー進行のために必要な次の行動もある程度わかるようになっています。この「ヒント」はストーリーが進むたびに更新されるため、基本的に探索や攻略に行き詰まる心配はなく非常に親切な設計になっています。

過去を改変するイヅル救済ルートがあるのが嬉しい

1週目はイヅルの身に起こった事実は変えられず、今の現実を受け入れて生きていくしかないという非常に悲しい終わり方をします。ですが2周目以降ではシュウヤが1週目の世界で経験した悲しみと共に1週目の記憶を取り戻し、イヅルの過去を変える決断をして彼を苦悩から解放するストーリーに本当に感動してしまいます。

やり込み要素として、本編以外のサブクエストも楽しめる

本編の攻略には関係ありませんが、島民たちの頼み事を聞いて対応していくサブクエストが複数あります。クエストごとに発生期間が決まっており、クリアすることで実績トロフィーを獲得できます。とにかく島にいる島民たちに話しかけていかないと発生しないイベントなのでやや発生難易度は高いですが、島を隅々まで探索することにもなり、島の雰囲気や夕凪島のお祭りを一緒に楽しんでいるかのような気分にさせてくれます。

イヅルの失踪の真実とタイムカプセルの謎

イヅルは10年前、村にある神聖な祠「まがときの祠」にかくれんぼで入り、しめ縄を誤って切ったことが原因で、9年前の島にタイムスリップしてしまいます。本来は立ち入り厳禁の「まがときの祠」にイヅルが入ってしまったのは、「かくれんぼで勝った方が同級生のサツキに告白する」という約束をシュウヤとしており、何が何でも負けられないと思っていたからでした。

そして小さい頃からシュウヤの面倒を見てくれていた、寺に住む「ヘイキチ」という青年こそが9年前にタイムスリップしたイヅルの正体でした。ヘイキチはシュウヤなら10年前の真実に辿り着いてくれるかもしれないと信じてタイムカプセルを事前に掘り起こし、代わりに「10年前の続きをしよう」と書いた紙を入れた箱を埋めていたのです。

「終わらない夕暮れに消えた君」ストーリーの感想

当時7歳のイヅルが9年前の夕凪島にタイムスリップし、自分の存在を知っている人は誰もいないという状況に置かれて感じたであろう孤独は想像を絶するものだったはずです。そしてイヅルが19年間抱き続けた感情は以下のようなものだったと私は考えています。

■寺の住職に拾われ「ヘイキチ」という名前をもらうが、「本当はイヅルという人間なんだ」という気持ちを捨てることは難しかった。

■2年後にもう一人の「イヅル」が生まれたために「ヘイキチ」と「イヅル」は完全に別の存在として生きるしか道がなく、同級生たちと同じ時間を過ごすことができなくなってしまい寂しく悔しい。

■自分が過去に失踪したイヅルだと家族や同級生に言いたくても言うことができない。

■まがときの祠に行くイヅルを止めて過去を改変したいが、それは「ヘイキチ」という存在が消えることを意味し、今まで孤独に耐え必死に生き抜いてきた自分の存在を否定してしまうような気がした。

「かくれんぼで勝ちたい」という小さな思いがきっかけで、これほどの苦悩を抱える羽目になってしまったヘイキチの後悔や絶望が、ストーリーの後半ではひしひしと伝わってきました。もし自分が同じ状況に置かれたら…と思うだけでゾッとしてしまいます。

しかし2周目以降で、イヅルを本当に大事な親友だと思っているシュウヤがヘイキチを説得して共に過去にタイムスリップし、イヅルを止めたことでヘイキチは消えていきました。あらゆる苦悩に縛られていた彼を解放し、シュウヤたちが「イヅル」と共に過ごす日々を取り戻せてよかったと心から感じました。

おわりに

主人公のシュウヤとイヅルの強い絆がストーリーを通してよくわかる作品でした。過去のイヅルを救ったことで、ヘイキチが消えてゆくシーンに感動してしまう2周目までぜひプレイしてみて欲しいです。

 

最後までお読み下さりありがとうございました。