はことふね

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【Etekusat】ゲームレビュー/その冒険は「一度きり」

※本ページにはプロモーションが含まれている場合があります。

今回は、Caffeine様が制作された『Etekusat』についてネタバレありのゲームレビューを書いていきます。この作品は、少年が奇妙な世界を冒険するホラーADVゲームです。

この記事はこんな人におすすめ!

⚫︎1度だけ遊べるホラーゲームに興味がある人

⚫︎不気味な世界観のゲームを遊んでみたい人

⚫︎『Etekusat』のレビューを知りたい人

※この記事はゲームのネタバレを含みますのでご注意下さい。

 

▼こちらのゲームの実況動画もあげております!

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『Etekusat』あらすじ

主人公の少年がいたのは色の無い世界。そこで彼は「Rob」という別の少年と出会う。Robは主人公に「北の墓地と南の森に行ってはいけない」と約束させたが、主人公はそこに立ち入ってしまう。その先で彼が遭遇したものとは…?

※ちなみにこの作品のタイトル「Etekusat」は逆から読むと「助けて」となる。一体誰が助けを求めているのだろうか?

『Etekusat』ゲーム情報

ジャンル:ホラーアドベンチャーゲーム

制作者:Caffeine

プレイ時間:30分~40分程度

エンディング:1種類

備考:このゲームにはセーブ・ゲームオーバーが存在せず、一度クリアすると二度とプレイできない

▼以下のサイトからDL可能(ふりーむ)

ゲームの評価・特徴

主人公の正体を予想するのが面白い

主人公には名前がなく、その正体や目的は終盤にならないと判明しない。だが探索途中で読める資料や他の登場人物の発言などから主人公の過去や、今までにしてきた事が断片的に予想できるようになっている。彼に関する情報が少しずつ集まっていくうちに、主人公の恐ろしさや今いる世界の不気味さが浮き彫りになっていくところが面白い。

独特なシステムだがプレーヤーには優しい仕様

このゲームにはセーブとゲームオーバーが存在しない。

しかしセーブ無しでも特に困る場面はなく、(クリアしない限りはゲームを途中で終了しても続きからプレイできる)敵に捕まっても直前の場面からやり直せるため、プレーヤーにとっては親切な仕様になっている。

謎解きの難易度は丁度良く、敵とのチェイスはやや敵との接触判定がシビアな部分もあるが、逃走ルートは単純なので比較的クリアしやすいのではないだろうか。

『Etekusat』ストーリーについて

※ここからは特にネタバレを含みます※

主人公の過去と過ち

主人公の名前はラムレッド(Rumred)で、彼は二重人格だ。父親からの虐待によってラムレッドの中に殺人鬼の人格が生まれてしまった。この人格は夜のみ行動しており、彼はもう1つの人格を制御できなかった。殺人鬼の人格は父親の命だけでなく母親・弟・友人などの命も次々と奪っていった。

一度は色や音など世の中の様々なものを嫌った彼だが、奇妙な世界の中での探索や敵とのチェイスを通して、彼は自分が犯した罪と向き合いトラウマを克服する。

しかし彼は最後、自ら命を絶つことで負の連鎖を終わらせることにした。

個人的にはトラウマを乗り越えたのだから、しかるべき施設に入り治療しつつ罪を償うものだとばかり思っていた。でも彼はそうしなかった。きっと制御不能な殺人鬼の人格にこれ以上犠牲を出させないために、確実な方法を取ろうとしたのだろう。彼のしたことは許されるものではない。しかし彼に殺人鬼の人格が生まれたのは彼のせいではなく、その人格をコントロールできないのも彼のせいではない。

衝撃的なラムレッドの最期に思わずやるせない気持ちになってしまう。

主人公に他の手段は無かったのか?

ラムレッドは他者に救いを求めるべきで、周りに助けてくれる人がいれば彼は命を絶つことは無かっただろう。だが彼を助けてくれそうな身内や友人は殺人鬼の人格によってほぼ全員亡くなってしまったのだろう。それもありラムレッドが選択できる行動は命を絶つことしか無かったのかもしれない。

作者様のサイトにて公開されている設定によると、ゲーム内に登場する様々な化け物はラムレッドの殺人鬼の人格によって命を奪われた人たちである。彼のトラウマや罪悪感が彼らを化け物として登場させ、自分自身を襲わせたのだろうか。

タイトルを逆から読んだ「助けて」の言葉はラムレッドによる被害者の言葉なのか、それともラムレッド自身の言葉だったのか?どちらかというと後者のような気がする。殺人鬼の人格をコントロールできずに身近な人たちを失い続けてしまう彼の悲痛な叫びのように思えてしまう。

おわりに

☆『Etekusat』の良いところ
・「救いのないストーリー」が好きな人には特に満足度が高そう。
・敵とのスリルあるチェイスが楽しめる。

 

★『Etekusat』の気になるところ
・流血表現などがあるため苦手な人は注意が必要。

 

セーブが無く「一度クリアすると二度とプレイできない」という部分がまるで人生のようです。人生は途中保存も過去に戻ることもできず、命が終わればやり直すことはできません。この当たり前の事実をゲームを通して突き付けられているような気がしました。気になった方はぜひプレイしてみて下さい!

 

最後までお読み下さりありがとうございました。