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【トナリノ】ゲームレビュー/色々な隣人がいますよね…

この記事では、短編ホラーノベル『トナリノ』についてネタバレありのレビューをしていきたいと思います。

この記事はこんな人におすすめ!

⚫︎手軽に読める短編ホラーノベルに興味がある人

⚫︎ヒトコワ系のストーリーが好きな人

⚫︎『トナリノ』のレビューを知りたい人

※この記事はゲームのネタバレを含みますのでご注意下さい。

 

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『トナリノ』あらすじ

主人公である大学生の「美桜」は初めての一人暮らしを謳歌していた。しかし充実した生活を送る美桜がいる一方で、その存在を羨む隣人がいることを彼女は知らなかった…。

『トナリノ』ゲーム情報

ジャンル:ホラーノベル

制作者:蜂谷

プレイ時間:15分程度

エンディング:1種類(分岐なし)

▼以下のサイトからDL可能(ノベルゲームコレクション)

ゲームの特徴・評価

現実にありそうなシチュエーションが余計に恐怖を駆り立てる

この作品はアパートの隣人と主人公との間に起こったトラブルと悲劇がホラー風に描かれたものであり、「隣人トラブル」という誰もが経験しうる状況が余計に恐怖感を増幅させてくる。さらに単にヒトコワのホラーというだけではなく、「結局主人公の美桜と隣人の井澤のどちらが悪いのか?」や「自分は気付かないうちに人に迷惑をかけてしまっているのだろうか?」などの現実世界における人との付き合い方についても考えさせられてしまう。

インパクトのあるホラー演出に思わずゾッとしてしまう

ゲーム冒頭で窓からこちらを覗いている女性は「井澤」という主人公の隣人だ。彼女は主人公が開けていた部屋の窓から突然声をかけてきてタオルを貸すように依頼してくる上に、その際の「すいません」という井澤ボイスは中々に不気味でインパクトがある。

このホラー演出を見ると、「なぜ井澤さんはインターホンではなく窓からわざわざ声をかけてきたのか?」という疑問が嫌でも湧いてきて、気付けば物語に引き込まれてしまう。さらにストーリーの途中で主人公と井澤さんの視点が入れ替わった際の背景からは、井澤さんが抱えるストレスや心の闇がひしひしとこちらに伝わってくるため、きっと誰しもがゾッとしてしまうだろう。

『トナリノ』ストーリーについて

この物語は「きっと誰しも知らず知らずのうちに誰かの恨みや妬みをかっている」ということをプレーヤーに見せつけてくれる。

主人公の美桜は大学生としての生活を楽しんでおり、ほぼ毎日彼氏と夜遅くまで大きな声で電話をしている女性だ。一方で隣人である井澤さんは仕事が上手くいかず、好きな人にも相手にされていないようだ。

さらに美桜は部屋の窓を開けたまま大音量で動画を流しながら料理をしていることが多く、夜遅くの大きな声での電話も相まって近所ではやや騒音問題として捉えられていたのだが、井澤さんからは「ただの大きなうるさい音」ではなく「自分の充実した生活を見せつけられている」と認識されたのではないだろうか。

最終的に美桜は井澤さんに首を絞められて亡くなってしまう。しかも凶器は美桜が井澤さんに貸したタオルだ。井澤さんは窓からあえて声をかけるという不気味な行動によって窓を閉めさせ、代わりに「ドアロックを使って少しドアを開けた状態にさせる」ことに成功し仕掛けを使って美桜の部屋に侵入した。

侵入方法や被害者の持ち物を凶器にするなど井澤さんの犯行は計画的なようにも思えるが、おそらく指紋を消すようなことなどはしておらずやや突発的な衝動も感じる上に、何となくだが井澤さんの精神状態の不安定さも見えるような気がする。

「人間の怖さ」と「隣人という誰しもが避けて通れないであろう存在」が合わさって非常に現実味のある恐怖感を感じることができる素晴らしいストーリーだ。

おわりに

☆『トナリノ』の良いところ

・手軽にホラーノベルを読みたい人におすすめできる。

・「身近に起こりうる怖さ」というリアルな恐怖を味わうことができる。

 

△『トナリノ』の気になるところ
・隣人トラブル系の内容のため、トラウマがある人は閲覧注意。

 

10分~15分程度で読める上にエンディング分岐も無いため、短い時間でサクッと怖い話を読みたい人に特におすすめです!

 

最後までお読み下さりありがとうございました。