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【そこは佐藤さんのお宅ですよ】ゲームレビュー/兄の家じゃなかったのか…?

この記事では、短編ホラーゲーム『そこは佐藤さんのお宅ですよ』についてネタバレありのレビューと考察をしていきたいと思います。

この記事はこんな人におすすめ!

⚫︎手軽に読める短編ホラーゲームに興味がある人

⚫︎ヒトコワ系のストーリーが好きな人

⚫︎『そこは佐藤さんのお宅ですよ』のレビューを知りたい人

※この記事はゲームのネタバレを含みますのでご注意下さい。

 

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『そこは佐藤さんのお宅ですよ』あらすじ

僕が兄の家を久しぶりに訪ねると兄は不在だったが、代わりにある女性が声をかけてきた。その女性は「そこは佐藤さんのお宅ですよ」と言う。佐藤さんという人は知らない上に、この家は兄の家で間違いないはずだ。しかし次の日以降もずっとその女性は同じことを言い続けている。この女性は一体誰で、ここは本当に兄の家ではないのだろうか?

『そこは佐藤さんのお宅ですよ』ゲーム情報

ジャンル:ホラーノベル

制作者:摩訶子

プレイ時間:15分程度

エンディング:1種類(分岐なし)

▼以下のサイトからDL可能(ノベルゲームコレクション)

ゲームの特徴・評価

終始不気味な雰囲気に思わず引き込まれてしまう

主人公が兄の家を訪ねた時に必ず話しかけてくる中年女性は段々と「そこは佐藤さんのお宅ですよ」と「気立てのいいお嬢さんでね、美人で料理もお上手なのよ。あんな子をお嫁さんにもらえる人は幸せでしょうねぇ」という言葉しかほぼ言わなくなってしまう。その様子は不気味なことこの上ない。そして兄の行方についてわからないどころか、なぜ佐藤さんのことを繰り返し話すのか?という疑問まで湧いてくる。だが繰り返される言葉の意味を考えながら読み進めるうちに、この異様な雰囲気に思わず引き込まれて先が気になってしまう。

主人公の置かれた状況など、考察のしがいがあるストーリーが楽しめる

主人公は何度も兄の家を訪ねるのだが、出会った中年女性は同じ言葉しか言わなくなり、兄も相変わらず不在のままストーリーは進んでいく。さらに主人公が訪問した兄は実は既に亡くなっており、兄の死がきっかけでずっと同じ夢を見ているという。主人公の身に起きていることや行動のどこまでが夢でどこからが現実なのか?兄に一体何があって命を落とすことになってしまったのか?などを考察しながら読み進めることができるのが面白い。

『そこは佐藤さんのお宅ですよ』ストーリー考察

主人公は何度も兄の家を訪ねているが、起きた事実を受け入れて最後に訪問した時以外は全て兄を見捨てた後悔から来る夢の中の行動だと考えられる。

主人公の兄は自ら命を絶ったせいで亡くなっており、兄は当時「佐藤さん」という若く美人な女性と、「主人公に何度も話しかけてきた中年女性」という同年代の女性と二股をしていた。どうやら兄と佐藤さんは半同棲状態にあったらしく、話しかけてきた女性が兄の家を「佐藤さんの家」と勘違いしていてもおかしくはない。しかし中年女性が「佐藤さんのお宅」と言い続けていたことには別の意味があったように思う。

中年女性が二股を知った時、女性は佐藤さんを殺めてしまった。兄は女性のしたことを咎めず、全て自分の責任にするために自ら命を絶って女性を逃がしたのだ。中年女性は事件をきっかけにそこが兄の家であることを知ったはずだ。だが二股の相手でありおそらく兄の本命であろう「佐藤さん」という存在が中年女性にとって強烈だったからこそ「佐藤さんのお宅」と言っていたのではないだろうか。

もしかしたら、事件を起こすきっかけとなった兄の存在を忘れたいという思いもあって兄の家だという事実を口にしなかったのかもしれない。

おわりに

☆『そこは佐藤さんのお宅ですよ』の良いところ

・手軽にホラーノベルを読みたい人におすすめできる。

・考察しがいのあるストーリーを楽しむことが可能。

 

△『そこは佐藤さんのお宅ですよ』の気になるところ
・ストーリーは分岐なしの1本道のため、複数エンディングに辿り着くために選ぶ選択肢を悩みながら考えたい人には物足りないかもしれない。

 

気になった方はぜひプレイしてみて下さい!

 

最後までお読み下さりありがとうございました。