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【7年後で待ってる】ゲームレビューとプレイした感想/それぞれの願いが絡み合うタイムリープ

※本ページにはプロモーションが含まれている場合があります。

今回は個人開発者のFumi様が制作された長編ADVゲーム「7年後で待ってる」を紹介し、そのレビュー・感想を書いていきたいと思います。

この記事はこんな人におすすめです!

●やりごたえのある長編ADVゲームを探している人

●「7年後で待ってる」のストーリーの感想が知りたい人

●このゲームの評価を知りたい人

※この記事はゲームのネタバレを含みますのでご注意下さい。

「7年後で待ってる」あらすじ

7年前に記憶を失った主人公ハルトは春休みの間だけ、生まれた街に戻って来る。唯一覚えている「7年後で待ってる」という誰かとの約束を果たすため、そして自分の記憶を取り戻すためにハルトは行動していく。
ハルトは約束の相手と自分の記憶を無事に思い出すことはできるのだろうか?

「7年後で待ってる」は何でプレイできる?

このゲームはSwitch・スマホアプリでプレイ可能です。Nintendo Switch版は有料(税込1,500円)で、スマホアプリ版は本編無料&一部サイドストーリーなどが有料です。

Switch

iOS

7 years from now on the App Store

Android

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.HirayaSpace.SevenYears&hl=ja-JP

ゲームの特徴・評価

操作感・特徴

※私はスマホ版でプレイしたため、操作感などについてはスマホ版の感想になります。

・本編が40章・エピローグが13章あり、非常にボリュームが多い。

・プレイ時間は7~8時間程度。

・選択肢なし、エンディングは分岐なしの1種類。

・3D版のドット絵で構成されているボクセルアートのようなグラフィック

ゲーム評価

◆良かったところ◆

・ストーリーを進行するために必要な情報を持っている人物・重要なアイテム・場所には「!」マークが付いておりゲームを進めやすい。

・本編エピローグ共にボリュームが多く、1つの映画を観たかのような充実感がある。

・用語は難しいが、1章ずつ進めるたびに次の章の内容や展開が思わず気になってしまう。

 

◆少し気になったところ◆

・話しかけたキャラクターが応答する位置にハルトを配置するのが絶妙に難しい。

ストーリーの見どころと理解の難易度

ストーリーの中で重要になってくるキーワードは「約束」と「タイムリープ」で、この2つが複雑に絡み合うことで、物語により深みが出ていると思います。

それぞれの正義

このゲームのテーマの一つに「それぞれの正義」というものがあるように感じます。主人公ハルトとヒロインのアオイを含めた4人の人物が、それぞれの願いを叶えるために過去にタイムリープすることを強く望み、自分の願いが正しいものと信じてぶつかり合います。そしてその願いは、「相手との約束を守りたい」や「相手の命を救いたい」という気持ちに基づいているように見えました。客観的に見て正しいことかどうかではなく、約束した相手が望んでいないかもしれなくても、「自分がやりたいと思ったことをやるのが正解」と信じて信念を貫き通そうとするハルトたちの姿が非常に見どころですし、自然と応援したくなってしまいます。

そもそもタイムリープを使用して過去の世界に戻り、納得がいくまでやり直すこと自体がおかしいことで、起こってしまったことを受け入れてそれでも生きていくしかないのが現実です。さらに、登場人物の中にはタイムリープのために不正に加担するという許されない行為をした者さえいます。「自分なりの正義」は必ずしも正しいとは限りません。それでも、その中で正義を貫こうとした先に何があったのか?そして最終的にどんな行動をとることを決めたのか?彼らの過去と共にその結末を知った時、ハルトたちの想いの強さにただ圧倒されました。

ストーリー理解の難易度

このゲームのストーリーを理解するのはやや難しい方だと思います。タイムリープの仕組みや記憶を消す薬の仕組みなど、説明されても理解が難しい用語がいくつかあり、ゲーム内のログを読み返して情報を整理する必要があります。また、序盤から中盤までは主人公ハルトが3日間のタイムリープを複数回繰り返すため、油断すると「今ハルトが持っている情報をどこまで仲間が知っているか?」がわからなくなってしまいます。(タイムリープした際に記憶が引き継がれるのはハルトのみ)一度説得に失敗してもタイムリープ後に再度別のアプローチをすることで仲間になるキャラクターもおり、「誰が現時点で仲間になっているか?」もそこそこ重要になります。

さらに、もともと難解なタイムリープの仕組みに加えて「共鳴」という、過去にタイムリープしたことのある人間同士が握手などで物理的に繋がった時、全てのタイムリープをなかったことにできる現象(私の解釈が間違っていたらすみません…汗)がストーリー終盤でとても大きな意味を持ちます。難解な用語の意味を理解できているほどキャラクターの苦労が読み取れるため、本編のエンディングやエピローグでの感動が大きくなります。

おわりに

自分の選択一つで展開が変わるドキドキ感はありませんが、読み応えがある濃いストーリーをゲーム内で味わいたい方には特におすすめしたい作品です。

長すぎる時間の中で奮闘したアオイの様子と想い、そして最後のハルトの選択も含めて非常に感動するため、ぜひプレイして皆さんの目で見てみて下さい。

 

最後までお読み下さりありがとうございました。