はことふね

主にゲームのレビューや考察をしています。

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【怪話】ゲームレビュー/奇妙で恐ろしい物語の世界

※本ページにはプロモーションが含まれている場合があります。

今回は、法螺会様が制作された『怪話』の紹介とネタバレありのゲームレビューを書いていきます。この作品は、4つの異なる物語の前編・後編からなるオムニバス形式のホラーノベルゲームです。

この記事はこんな人におすすめ!

⚫︎複数の異なる物語を1つのゲームで読みたい人

⚫︎リアルなサウンドありのホラーノベルを読みたい人

⚫︎『怪話』のレビューを知りたい人

※この記事はゲームのネタバレを含みますのでご注意下さい。

 

▼こちらのゲームの実況動画もあげております。

★再生リスト⇒『怪話』実況プレイ動画 - YouTube

★動画の視聴・チャンネル登録していただけると励みになります…(。-人-。) 

個人的なおすすめは「婚前旅行」編です。

 

『怪話』とは?

・オムニバス形式のストーリー構成で、1章につき前編後編の合計8つの物語で構成。

・各章の主人公は個別でそれぞれの物語は独立している。

・小説を読むような感覚でプレイ可能。

・物語の一部にバイノーラルサウンドがあり、臨場感のある恐怖体験ができる。

『怪話』ゲーム情報

▼DL可能なサイトはこちら(ノベルゲームコレクション)

▼Steamでも配信開始されました!

ジャンル:心霊ホラーサウンドノベルゲーム

制作者:法螺会

プレイ時間:7~8時間程度

エンディング:各章の選択肢により異なるエンディングに到達

ストーリー数:4種類(前編後編含めて8つ)

ゲームの特徴・評価

様々なジャンルの怖さが詰まった物語の構成

4種類の怪談の内容は「怪異系・ヒトコワ系・呪い系」などバリエーションも様々かつ「ヒトコワ系×奇妙な怪異」のように複数の要素が合わさっている話もあるため、ストーリーの結末を色々と予想しながら読み進めるのが面白い。自分の予想が裏切られるような展開もあるため、最後まで話が読めないところもいい。

バイノーラルサウンドにより恐怖が増す演出が体験できる

バイノーラルサウンドによる恐怖演出があり、耳のすぐ傍で囁く謎の声・化物のうめき声と足音などが非常にリアルにプレーヤーに迫って来る。プレーヤー自身も登場人物たちと同様に怪物に狙われたり怪物と対峙しているかのような気分になれるため、文章を読んでいるだけとは思えないほどの臨場感を味わうことができる。音だけでなく文章による状況描写もリアルで、より生々しさを感じる。

どの物語も謎を残したまま終わるため考察の余地がある

この作品に収録されている4種類の物語は全て「続きが気になって仕方ないところ」で終わっている。この後登場人物たちは無事に平穏な日常生活に戻ることができるのだろうか?問題は本当に解決したんだろうか?など様々な疑問が湧いてくる。

今までに得た情報をもとに自分自身で物語の続きを想像・考察することができる非常に面白いストーリーだ。

『怪話』ストーリーについて

この作品に収録されている物語の概要を紹介し、一部ストーリーの考察もしてみたいと思う。本作品には設定資料集があるが製作者様の公式サイトにて有料販売されているもののため、設定資料集の内容は読まない状態で考察していく。

収録されている作品4種類の概要

怪道:とある街にある特定の道を通り続けた人は笑い狂ってしまうという話。

ゅべぬろ:「ゅべぬろ」という神の力で心を入れ替えられた2人の小学生の話。

顔なしこけし:「守娘」という生贄伝承によって生まれた怪物によって身体の一部を取られた2人の女性がそれを取り返す話。

婚前旅行:過去に起きた悲恋の物語をきっかけに生まれた霊に憑りつかれる男女の話。

『怪話』一部ストーリーの考察(ゅべぬろ編)

前提:「ゅべぬろ」編ではF也からの悪質な嫌がらせに耐えかねたS香が、ゅべぬろ様にF也とS香の心を入れ替えるように願い、今度はF也がS香から悪質な嫌がらせを受けるようになった。そこで感じた2つの疑問について少し考察してみたいと思う。

 

疑問①:ゅべぬろ様の願い事のルール

不思議に思ったのが、心を入れ替えられ記憶喪失になったF也がゅべぬろ様にS香の心を戻して欲しいと願った時に「もう叶えた」と言われたことだ。ゅべぬろ様に願い事ができるのは1人1回までというルールがあるようなのだが、F也が願ったのはこれが初めてである。一方で1度ゅべぬろ様に願いを伝えたS香は、ストーリーの終盤でゅべぬろ様に「入れ替わった自分たちの心を元に戻してF也に全てを思い出させる」という願いごとをしてそれが叶えられている。なぜS香だけ2度も願いごとを言えたのだろうか?

私の予想になるが、ゅべぬろ様の願い事カウントは「心」で行われるのではないだろうか?そう考えると何となく辻褄が合う。

 

①S香(心もS香)が願い事をする⇒心が入れ替わる

②F也(心はS香)が願い事をする⇒既にS香の心は願いを伝えた後なので「もう叶えた」と返される。

③S香(心はF也)が願い事をする⇒F也の心にとって初めての願いなので叶えられ、2人の心が元に戻る。

 

このゅべぬろ様のルールまで見越した上でS香が行動していたかは不明だが、結果的には上手くいったことになる。

 

疑問②:S香の心は戻ったのか?

ゅべぬろ様に願ったことでS香の心は元に戻ったはずなのだが、ストーリーの最後にF也を見下ろすS香の表情は全く変わっておらず、冷たく異様な笑みを浮かべたままだった。F也が記憶を取り戻したことから、ゅべぬろ様への願いは有効だったと思う。しかし、S香はF也の心を持った状態でF也に復讐を果たしてしまった結果、完全に昔のS香の心には戻らなかったのかもしれないと考えている。

おわりに

『怪話』の良いところ
・1冊の小説を読んだかのようなボリューム感と充実感がある。
・考察のしがいがあるストーリーが楽しめる。

 

『怪話』の気になるところ
・一部イラストや文章表現がグロテスクで生々しい部分があるため苦手な人は注意した方がいい。

 

収録されている物語はどれも面白いものばかりですので、気になった方はぜひプレイしてみて下さい!

 

最後までお読み下さりありがとうございました。